悪性ボットとは何か?悪性ボットと良性ボットを見分ける方法

ボットによるアクセスはすべてが悪いわけではありません。 ボットには良性と悪性の二種類があり、本記事ではその違いと見分け方、役に立つボットを妨げずに悪性ボットのみを検出・遮断する方法を解説します。
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Jan 13, 2026
悪性ボットとは何か?悪性ボットと良性ボットを見分ける方法

ボットによるアクセスが、すべて悪いわけではありません。

ボットには大きく分けて、良性ボットと悪性ボットの 2 種類に分類されます。

本記事では、それぞれの違いや見分け方を整理し、

役に立つボットは活かしつつ、悪意のあるボットだけを正確に検出・ブロックする方法を解説します。

悪性ボットの定義

悪性ボットとは、自動化されたプログラムを利用して、
Web サイトやオンラインサービスを意図的に悪用する不正なトラフィックを指します。

人間の行動を模倣しながら大量の自動リクエストを発生させ、
以下のような反復的かつ悪意のある行為を目的として活動します。

  • サービス拒否攻撃 (Dos / DDoS)

  • ランサムウェア攻撃の足がかり

  • アカウント乗っ取り

  • スパム送信

  • 機密情報の流出

  • 不正取引や詐欺行為

一方で、すべてのボットが危険というわけではありません。
検索エンジンのクローラーやモニタリングツールのように、
サービス運営を支えるボットは良性ボットに分類されます。

効果的なボット対策の本質は、
すべてをブロックすることではなく、悪性ボットのみを正確に識別し、制御することにあります。


良性ボットと悪性ボットの違い

良性ボットは、サービスの可視性や安定性を高める目的で利用されます。
代表的な例は以下のとおりです。

良性ボットの主な種類

  • 検索エンジンボット
    Web サイトのコンテンツをクロールし、検索結果に表示されるようインデックス化します。

  • AI クローラー
    LLM や RAG など、AI 利用を目的としてコンテンツを収集します。

  • 著作権監視ボット
    著作権侵害の可能性があるテキスト、画像、音楽などを検出します。

  • チャットボット
    自動応答を通じて、ユーザーの利便性を向上させます。

一方、悪性ボットは以下のような行動を取ります。

  • データの不正取得

  • ユーザーアカウントへの侵入

  • オンラインフォームへのジャンクデータ送信

  • クリック詐欺や不正操作

代表的な悪性ボットには、
クレデンシャルスタッフィングボット、スクレイピングボット、スパムボット、クリック詐欺ボットなどがあります。

悪性ボットに共通する特徴

  • 人間の操作に似せた大量の自動アクセス

  • 短時間での反復的なリクエスト

  • ログイン、予約、決済、データ取得など特定機能への集中

  • 一般ユーザーの利用を妨害、またはブロック

これらの悪性ボットは、単なるトラフィック増加にとどまらず、
サービスの信頼性や公平性を大きく損ないます。


悪性ボットが実際のサービスに与える影響

1. アカウント乗っ取りと認証攻撃

大量の ID とパスワードの組み合わせを自動で試行し、
個人情報や決済情報の流出につながります。

2. データ収集と無断スクレイピング

商品情報や価格、コンテンツを無断で取得し、
検索順位の低下や競争環境の歪み、運用リスクを引き起こします。

3. 予約および在庫の独占

チケット販売や限定商品販売において、
悪性ボットが大量アクセスを行い、実際の利用者の参加機会を奪います。

4. サービス安定性の低下

自動化された大量リクエストによりサーバー負荷が急増し、
遅延や障害の原因となります。

5. 在庫の不正占有や座席スピニング

決済直前までカート内の在庫を占有し、
価格の人為的な変動を狙います。航空券予約などで多く見られます。

6. ランサムウェアなど二次被害への拡大

大規模な自動アクセスは、脆弱性探索やアカウント侵害の前段階として利用され、
その後、内部侵入やランサムウェア攻撃へ発展する可能性があります。


事例で見る悪性ボットの実態

大学ポータルシステムの事例

韓国国内の 13 大学におけるポータルおよび履修登録システムを分析した結果、
全流入トラフィックの 約 44% が悪性ボットトラフィック であることが判明しました。

これらのアクセスはログインや履修登録の区間に集中し、
正規に手続きを行おうとする学生の利用環境を阻害しました。
結果として、学生からの不満や問い合わせが増加しました。


アイドルコンサートチケット販売プラットフォームの事例

韓国のアイドルコンサート向けチケット販売プラットフォームでは、
約 2 億件の予約試行トラフィックのうち、21% が悪性ボットと分析されました。

多くは同一パターンの自動化リクエストで、
短時間に繰り返しアクセスし、座席確保や転売を目的とした試みが確認されています。

この影響により、実際のファンが予約画面に到達できない状況が発生しました。


悪性ボットを識別・ブロックする方法:BotManager

悪性ボット対策で最も重要なのは、
一般ユーザーや良性ボットのアクセスを妨げずに、
不正な自動化トラフィックのみを正確に見極めることです。

STCLab の BotManager は、
事前に定義されたポリシーと行動分析を組み合わせ、トラフィックをリアルタイムで解析します。

  • クリック速度と操作パターンの分析

  • 反復リクエストやセッション異常の検知

  • IP アドレスやアクセス挙動に基づく異常兆候の識別

  • 一般ユーザーの体験を損なわない選択的なブロック

これにより、大学ポータルやチケット販売のように、
公平性と安定性が強く求められる環境でも、悪性ボットのみを効果的に制御できます。


悪性ボット対策は「選択」ではなく「必須」

現在、インターネットトラフィックの多くは自動化されたボットによって発生しており、
その中にはサービス運営に深刻な影響を与えるものが含まれています。

悪性ボットを正しく理解し、
良性ボットと区別して対応する戦略は、
サービスの安定性・公平性・ユーザーからの信頼を守るために不可欠です。


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